一緒に我が子を見守り、愛おしんでくれる仲間の存在

子育て

私はそんなに強くない。

それが分かってるから、倒れる前に先手を打つ。

引っ越しをして「新しい場所でも素敵なコミュニティを見つけて楽しんでるね」と、とある人に言われた。

正確には「必死で素敵なコミュニティを探した」という感覚だ。

とはいえ、私は周りの人や環境に恵まれていると思う。

長男が生まれて初めての子育ても、あの支援センターに出会えたおかげで楽しめた。仲間もできて、みんなで子育てができた。

大きなコミュニティでなくてもいい。

ありのままの子どもたちを、大人達が見守り愛おしむ仲間がいるって、世の中的にも大事で幸せで、平和なことだと思っている。

一緒に子育てを楽しんでくれる場所を探そう

支援センター、といつも呼んでいたのでそう表記するが、正式には地域子育て支援センター。

いつ頃からか国がそのような施設を設置し始めた。繋がりが薄れた社会で、孤独な子育てに苦しむ人を減らそうとか、そんな目的だったんだろうか。

地域子育て支援センターには、ざっくり2種類がある。

保育園内に設置されているものと、市町村が主導で作られているもの。

保育園内のセンターは、やはり通っている園児を優先するので施設が狭い傾向にある。また、常時先生がいないとか、利用時に予約をしないといけないとか、個人的には利用のしづらさを感じている。

でも、遊びながら園の雰囲気や先生の様子を見たり、場合によっては広い園庭で園児たちと一緒に遊ぶことができたりするメリットがある。

私がずっとお世話になっていたのは、市町村主導の地域子育て支援センターだった。

施設がまるまる支援センターなので、わりと広め。なので子どもたたちがのんびり遊べる。在園児に配慮して…というのもないので、自由度が高いのも良い。

また、私がお世話になった支援センターは、先生がいつも一緒に遊んだり喋ったりしてくれた。

そう。一緒に楽しんでくれたのだ。

真の意味で子どもを見守れる

先生が一緒に楽しんでくれるので、自然と先生を囲んで輪ができる。

一緒に「でーじかわいいねー!」「あっしぇ、すごいさぁー」なんて笑い合うから、これまた自然に、お母ちゃんと仲良くなれた。

そんな雰囲気だから、子どもたちの喧嘩やおもちゃの取り合いを、大人の側から止めることもほぼ無かった。

もちろん見守りはするけど、これも勉強。

だいじょうぶよー、こんなこともあるさぁねー。

このシーンって結構、ママとしては気を張ってしまうのだ。

こちら側が「少しくらい喧嘩した方がいいさー」と思ってても、あちらが「申し訳ない、迷惑だからやめさせないと」とか思ってたら、我が子の行為にストップをかけないといけなくなる。

つまりは喧嘩をしているキミ、よくないよ

みたいなメッセージを、暗に与えてしまってる事になる。

その点、この支援センターに集まるお母ちゃんは、子どもは喧嘩するのが当たり前、な価値観に賛同している人(ここに通い始めて、そう思えるようになった人も含む)ばかり。

落ち着いて、子ども達に社会勉強をさせてあげられた。

ホースの引っ張り合い事件!

ある日、とある男の子と女の子がホースを引っ張り合っていた。

3歳くらいの男の子が、先にホースを持って遊んでいた。そこに2歳くらいの女の子がやってきて、ホースを奪おうと引っ張り出した。

あら、どうなるかねー

先生、それぞれのお母ちゃん、たまたま居合わせた私で見守る。

引っ張り合いと書いたけど、正確には女の子が仕切りに引っ張っている。男の子の側はじっと動かない。

取られないよう抵抗している。でも争って奪おうとしている雰囲気ではない。

結局女の子の手がスルッと抜けたところで、ホースは男の子の手に渡る。

女の子はぎゃーーーー!と喚き泣いた。嫌だったんだねえ。

ここからが凄かった。

「無理に泣き止まそうとしなくていいからねー」と先生。

長引きそうなのを分かっていたんだろうか。

女の子は着替えも抱っこも拒否。

そのまま10分くらい、泣いて暴れた。

やり場のない気持ちを、身体中から発散させていた。

落ち着いたのを見計らって、お母ちゃんが彼女を抱きあげ、外に出る。

しばらくお散歩して帰って来たら、いつも通りのニコニコ笑顔。

気持ちの切り替えができたんだね。すごいね〜と周りの大人たち。

男の子の方も凄かったのだ。

先生が言う。「いつも気の強い妹ちゃんにあれこれ譲ってて、でもこうして自己主張もできるんだねー」

手や口を使って、わぁー!っとやり返さない穏やかさが、彼のいいところ。

そうですねーと頷く、ママ達。

子ども達が子どものままで、やりたい事をやりたいだけやれる。

こんな場所が、大好きだった。

そしてこの場所に私は育てられた。

うちの子は大丈夫。

何の根拠もない、だけど最強なおまじないを、この場所に、先生に、ママ達にかけてもらった。

みんなで子どもを可愛がるのが、当たり前に

沖縄県のある市長さんが、地域主導型の子育て支援センターをなくして、全部保育園主導型にしようと言い出した。

市民から、ママ達からはかなり、反対の声が上がっていたはず。

結局どうなったのか、追いかけられずに沖縄を出てしまったのだが、気に掛かっている。

同じことを私がされたら?

余裕を持って、子育てできないだろう。

保育園主体のセンターが、どうしても在園児ファーストになってしまうのは仕方ない。

だから、市町村の支援センターもあって、そこも選べる形を整えて欲しいのに。

子どもやママを大事にしない市町村には、住みたくない。

そういう場所には未来もないだろう。

文句で終わっちゃいそう…。

うーん。

一緒に子育て、しましょうか。 

一緒に遊んで笑ってお喋りして、可愛いね〜って愛で合うくらいなら、私もやれるよ。

ぜひ。

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