わたし、隣のクラスの先生、苦手なんだよねー。
用事があり、下校時間の小学校に、長男を迎えに行ったら、すれ違った女の子がこんなことを呟いててギクっとした。
ランドセルに黄色のカバーをかけてたから、多分1年生だろう。
ギクっとしたのは、私も小学校で先生をしていた時に、絶対同じことを言われていただろうと想像したから。
いや、言われていたよ。思い出した。
「このクラスになって、最初がっかりしたんだよ。兄ちゃんが、あの先生めちゃ怖いからなって脅してたから。でもそんなことないね。先生優しくて、ホッとした。」
4月、新しいクラスでそんなことを言われた。
その男の子にはお兄ちゃんがいて、お兄ちゃんの学年を前の年に受け持っていた。お兄ちゃんは確か隣のクラスだったから、あまり面識はない。
前の年の私は、確かに怖かったと思う。
とても元気いっぱい、やんちゃ者の多い学年だった。私が一番若いし、他の先生方は赴任してきたばかりだし…という理由で、私は場を締める役というか、ストレートに言えば怒る役目をしていた。
学年の集会や行事とか、たまにしか顔を合わせないのに、会うたび怒ってる人。
そんな印象を、お兄ちゃんは私に抱いたろう。そうとしか思えないよね…後悔の念が浮かぶ。
でも、周りがどう思うかなんて、配慮する余裕すらないほど、私も四苦八苦していたなと振り返る。
さっきすれ違った女の子は、なんと言っていただろうか。「なんかいつも厳しいんだよねー」みたいなことを、言ってた気がする。
わたしはわりとよく、小学校へ顔を出している。その先生のことも知ってるし、話をしたこともある。
ポーカーフェイスで、考えていることが表情から読み取りづらいところはある。
けれど気配り目配りが丁寧で、感情のアップダウンが穏やかな先生。
いつも落ち着いていて安心できる人。そんな印象を抱く人もいるだろうな。
考えてることが読み取れないから、なんか怖い。そう思う人もいるだろうな。
他人が人に抱く印象は、それぞれだ。
どんなに良いように思ってもらいたいとしても、それはこちら側にはコントロールしかねる。というかコントロールできない。
だから気にしても仕方ない。そう思いつつ、気にしちゃうんだよねー。
「どう思われるかをいちいち気にする」は、ここのところの自分のテーマでもある。
そんなに他人は、私のことなんて見てないはずなんだよ。なんだけどね。
そんなことを考えてボーッとしてたら、手を繋いでいた2歳の次男が、不意に「にーちゃーん!」と手を振り払って走り出す。
慌てて追いかけようとすると、長男の友達がいた。次男はこの子が大好きだ。そばへかけていき、そのまま手を繋ぐ。
あー、そうそう。考えすぎだな。周りを気にしすぎず、まずは自分のしたいように、するのがいい。
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