「どうして?」ではなく「どうしたらいい?」で、一緒に未来を考えよう

先生の働き方

クラスにこんな子がいることに気がつきました。
「どうしても、朝早く来られない」
「どうしても、忘れ物をしてしまう」
あなたなら、この子たちにどんな声かけをするでしょうか?

どうしても遅刻してしまう子、忘れ物をしてしまう子

月の半分は遅れて登校してくる。そんな子がいました。
周りの子の反応も「まただよ」「いつものことだよ」と、見慣れたような感じでした。
去年の担任の先生も色々手を尽くしたそうですが、
一向に改善しない。家庭に連絡し、協力を仰いでも変わらなかったそうです。
さて、あなたが担任ならどんな声かけをするでしょうか。

しょっちゅう忘れ物をする子もいました。
その子は、宿題も教科書もなかなか揃わない。
連絡帳にメモしたり、「絵の具セット」と手に書いていたこともありましたっけ。
それでも良くなりませんでした。
こちらの子には、どんな声かけをするでしょうか?



「どうして?」は、言い訳しか生まない言葉

以前の私はそういった子に「どうして?」「なんで?」と尋ねていました。
不思議なことに、そう尋ねると決まって言い訳が返ってきました。

どうして今日も遅刻したの?」
「だって、朝ごはんを食べるのが遅くて…」

なんで忘れ物しちゃったの?」
「昨日の夜で準備をしなかったからです…」

その返答を聞いて、余計イライラしながら叱っていました。
言い訳ばっかりしてるなあ、そう思いながら。
そりゃそうです。今考えたら私の聞き方がおかしかった。
「どうして?」「なんで?」と聞くと、出てくる答えは全て言い訳になってしまうのです。
知らずにこの質問をしている方、いませんか?


「どうしたら?」に変えると未来が見える

では、どんな声かけに言い変えればよいか。
「どうして?」を「どうしたら?」に変えるだけです。


どうして…と原因ばかりを過去に探していた脳が、
どうしたら、に変えることで未来へフォーカスできるようになるのです。

度々遅刻してしまうその子に、こう尋ねました。
「どうしたら、明日は時間に間に合わせて学校に来られるかな?」
彼女はしばらく考えて、こんな返事をしました。
「お母さんが起こしに来たら、すぐ起きるようにする」
聞くとお母さんと彼女との間で、毎朝ケンカをしていたそうで。
「なんですぐ起きないの!?」と言われ、ふてくされる。
機嫌が悪いから、ご飯を食べるのも支度するのも手が進まない。
結果、学校へ行くのが遅れるというのが毎朝起きていたらしいのです。

自分で出したアイデア、次の日試してみたようです。
時間ギリギリでしたが、何とか間に合って登校することができていました。





しょっちゅう忘れ物をしてしまう子。
この子にも「どうやったら明日、忘れずに持って来られそう?」と聞いてみました。
そしたらなんと「絵の具セット、って唱えながら帰る!」と返ってきました。
隣で聞いていた子が、そんなん上手く行くわけない!って反論するくらい驚きのアイデアです。
さて次の日はどうなったか。
彼はちゃんと持って来ていました。
ほら出来た!と言わんばかりの誇らしそうな顔でした。


頑張りたい子どもたち。どんな手助けができるか、考えたい

子どもたちはやらないんじゃない、やれないんです。
大人だってそうでしょう。
ダイエットは3日と続きません。やらないんじゃない、やれないんですよね。

育休から復帰したてで「やれない」だらけの私は、余計に偉そうなことが言えませんでした。
勤務時間を超えて学校にはいられない。朝も早く出勤できない。
偉そうに「どうしてできないの!?」なんて聞けなかった。

本当は頑張りたい。でも一人では上手くできない。
そんな子どもたちにどんな手助けができるのか、大人の私たちは考えていきたいですね。