「えー!お母さん!◯ちゃんと一緒にワールドルームへ行ってくるから、ここで待っててよ!」
小1最後の授業参観があって、親子で一緒に下校しようと靴箱へ向かっていました。
学級懇談会に親が参加する子は、ワールドルームと呼ばれている特別教室へ行き、そこでお迎えを待つことになっていて。
その部屋へ向かう子を、担任の先生が「急いでー」と言いながら、連れて行ったのを見送ったあと、夫が懇談会へ出て、私は長男と先に帰ろう。そんなやり取りをして教室を出て来ました。
靴箱へやって来たら、そこで揉めている、同じクラスの女の子たち。
「え、◯ちゃん、お母さん待つの?じゃあワールドルーム行かなきゃ!もうみんな行っちゃったよ?」
長男と同じクラスの女の子。お迎えを待つグループだったのに、どうやら玄関へ来て決まったようでした。うっかり間違えちゃったんだろうね。
お友達の急な物言いにびっくりしたのか、◯ちゃんと呼ばれた女の子は何にも言わずに、立ち尽くしています。
そこに長男が入り込んで来ました。
「◯ちゃん、お母さんどこにいるの?」
「教室だよ。」◯ちゃんが答えます。
「じゃ、ワールドルーム行かなきゃ!僕が一緒に行くよ!」
突然の任務にシャッ!と変身を始めるヒーローみたいに、長男は急にシャキッとして、◯ちゃんの手を引いて行こうとします。
「はっ!でも靴と傘はどうしよう、お母さん!」
急に話を振られて、私もシャキッとなります。
「え?いや、帰る時はみんなここからさ。なんで、置いていけばいいさ(準備して喋らないと、沖縄の方言が出てしまいます)。」
「そうだね!じゃ待っててよ!◯ちゃん、行くよ!」
颯爽と階段を駆け上がる長男。遅れて◯ちゃんもタタタっ、と階段を上がります。
しばらくして、子どもたちを部屋に送り届けた先生と一緒に、長男が降りてきました。
「すみませんね、ありがとうございます。長男くんもありがとうね。」
先生に褒められて、すごく嬉しそうな長男。
小1の1年間、長男はいろんなことができるようになりました。
そもそも標準服(制服みたいなもの)が窮屈で、着たくない!からスタートした小学校生活。
お友達ができて、毎日楽しく登校してくれてるだけでも、ありがたい事でした。
お友達ができる。楽しく登校できる。実は当たり前ではない事を、私も学校の先生をしていたから知っています。
安心して自分を出せる。先生が自分を認めてくれる。居心地のよいクラスだったから、長男は楽しく学校へ行ってくれてたのだと思います。
…早く走れないだの、縄跳びができないだの、そんな感じで行き渋る日も、ありましたけどね。
もともと優しい性格の長男なのですが、困ってるクラスのお友達に、サッと手を貸すところ。先生にねぎらわれて嬉しそうにしているところ。
そんな学校での一面を見て、本当に良い一年を過ごして来たんだろうなと、改めて思いました。
楽しくなると、結構な大声が出てしまうところ。
興味がある事で頭がいっぱいになり、うわの空で話を聞かないところ。
見方によっては「困ったちゃん」と言われそうな長男の特徴も、先生は上手にフォローしてくれたり、活かしてくれました。
長男はありのままを認めてもらって、成長したんだな。
そんな事を感じて嬉しくなりました。
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