「好きな人がいるってことは、その人は相手の良いところを見つけるのが得意なんだって事だと思うんだよね。素敵なことだよね。」
小学生も4年生を越えてくると、好きな子の話題で盛り上がる。
同時に「誰が好きなの?絶対言わないから、教えてよ」みたいな、好きな人をちょっと無理に聞き出すとか、言わないと言ったのに言いふらされた、みたいなトラブルも増える。
そんな時に、私の思い出を交えながら、「好きな人がいるって素敵なことだよね」というテーマを、クラス全体に話した。
先生も小学校の時、好きな人がいたし、なんなら毎年違う人だったし、そんな自分は今思うと、いいとこ見つけの達人だったんだよねー。
子ども達がキャー!ってテンションで、先生の恋バナに目を輝かせて聞く。
でも一度、好きな人を友達にバラされちゃって、その子から避けられちゃうようになって、嫌な恋の終わり方した時があってね。こんなの望んでなかったなーと思ったの。
ちょっと教室の雰囲気が曇る。
好きな人がいるのを茶化したり、相手を聞き出して盛り上がったりするのは、気持ちのいいことじゃないんだなー。ってその時思ったの。誰かを好きって気持ち、すごく素敵なことだから、みんなにも大事にして欲しくてね。
なんとなく、伝わったような雰囲気になれば、それでいいかなと話を終わる。
特にクリスマスやバレンタイン、冬休みの前なんかはこんな話題がよく出たな。そんなことをふと、思い出した。
「先生はどんな人が好きだったの?」
話のあとに訊ねて来た女の子達がいた。うーん、と考えて返答する。
「優しい子かなあ」
さりげない優しさに、すぐキュンとしちゃう単純な子どもだった。小5の時に好きだった子は、タレ目で目立たない男の子だった。掃除時間に私の分までぞうきんを取ってくれた。そんな些細なことが「この子いいな」って思うきっかけだった。
「えー!それいいね!このクラスだとさ、◯くん優しいんだよね。優しいし、かっこいいし、人気なんだよね」
「あー!そうだろうね!先生もカッコイイ!って思うもん。」
好きな人を無理くり聞きだすなよー、って話のあとなのに、もうカッコイイ子の話で盛り上がっている。ホントに女子というのは不思議な生き物。
そういえば低学年でも、好きな人の話って出ていたな。
私がインフルエンザに罹ってしまい、数日学校を休んだ時のこと。ご迷惑をおかけしました…と補充に入ってくれた先生方にお礼を言って回っていると、支援員さんがくすくす笑いながら声をかけて来た。
「先生のクラスの女子、オトナですねー。6年担任の先生が来た時、机の周りを囲んで、楽しそうにしてましたよ」
その時いらした先生は、スポーツマンで背も高くて、話もユーモアに富んでて面白い人だった。女子はその先生をぐるりと取り囲んで、談笑してたという。その光景を想像して、なんだか妙に納得してしまった。
同時に、その脇でチャンバラごっこで笑い転げていたであろう、クラスの男子達も頭に浮かんだ。
あらあら、お呼びでないわよあなた達。女子達の恋愛対象の枠にすら入っていない彼ら。側から見てると滑稽だ。でも男女の精神年齢って、歳は同じでもそれくらい違うんだよねえ。
人を好きになるって楽しい。自分以外の異性に「いいな」を見つけられる感性って、ホント素敵だと思う。そんな根っこの部分を忘れないで欲しいな。小学校の先生をしていた時は、子どもたちに向けてそんなことを思っていた。
小1の長男とも、もうすぐそんな話をするようになるのかな。優しくて穏やかで、それこそ人の良いところを見つけるのが上手な彼。
なるべく悪い女には騙されないようにね。と一応、念を送っておく。
【怒らない、ごきげん母ちゃんでいるための3つのコツ】の音声
メルマガ登録でプレゼントしています。
↑登録はこちらから↑
コメント