感謝・ねぎらいがキーワード!愛されながら働けるようになるコツ

先生の働き方

職場の悩みの実に9割は人間関係と言われるほど、一緒に働く人との関係は「働きやすさ」を左右します。
どちらかというとマイペースで、気配り上手でもない私ですが、気持ちよく働くために心がけていることがあります。
それが題名にも挙げた「感謝すること」「ねぎらうこと」です。


この2つを意識することで、愛されて働けるようになる。
ちょっと大袈裟かも知れませんが、それくらい同僚さんとの関係が変わるんじゃないかな。そう思っています。私自身の体験を例に、解説していきます。

経験不足、頼りない栄養職員。それでもみんな良くしてくれたのはナゼ?



沖縄を出ての生活、学校栄養職員として働くのも初めてだった。そんな年のお話です。


学校栄養職員は、学校給食に関わるお仕事全般を担っています。例えば献立をつくったり、食材を発注したり、安全に給食が作られているかを管理したり。


中でも大切な仕事(と私は捉えている)が、調理員さんと連携を取ること。
栄養士が献立を立てますが、実際に作ってくれるのは調理員さん。
立てた献立にはこんな意図がある、ちょっと作業が多いけど時間内に終われるだろうか?など
調理する側の意見や提案も汲みながら、仕事を進める必要があります。




大学を卒業し、一応2年ほど栄養士として働いていましたが、私は献立作成をちゃんとやったことがない。
しかも沖縄と栃木では食材やメニューにいろんな違いがある。
4月5月は調理員のリーダーさんに助けられつつ、どうにか仕事をこなしていました。


夏ごろには仕事にも慣れてきて
「ゴーヤーチャンプルーを出してみたいんですけど」と提案してみたり
「もずくは和え物だけじゃなくて、スープにできるんですがどうでしょう」なんて言い出したり。自分がやってみたいことを、リーダーさんへ無理を言い、作ってもらったりしていました。

今思えばなんて自由に好き勝手してたんだろう!とも思います(実際もずくスープは見慣れなさ過ぎて、すごく食べ残しも多かった…)。
ですが調理員さんはみんな、嫌な顔ひとつせず働いてくれていました。
それどころか、家で採れたお野菜や手作りのお餅をくれたり。すごく可愛がってもらっていたなと思います。

たまたま人に恵まれていたのかも知れません。
小さな調理場だったので、コミュニケーションがうまく取れたのかも知れません。
でも私なりに、働く上で心がけていたことがあったんです。


心がけていたのは、感謝とねぎらい

その頃は無意識にやっていたので、「心がけていた」というと実は語弊があるのですが。
「どうして人に恵まれて、あんなに楽しく働けたのかな」と後から考えると
感謝とねぎらい、この2つがキーワードだったのだと気づいたのです。

やってもらって当たり前ではない、ありがとう

前述したように、私は献立作成も初めて。調理員さんと働くことも初めてでした。
私がなんとか考えた献立を、調理員さん達はきっちり作業して仕上げてくれます。
それは当たり前のことではない、と常に考えていました。

だって、私に同じことをしろと言われてもできません。やれても調理員さんたちのように、手際よく仕事をするのはきっと無理。
毎日安全でおいしい給食が、時間通りに子どもたちの元へ届く。
私がやれないことをやってくれている調理員さん達の働きぶりを「ありがたい」と思わずにいられませんでした。

「毎日、お仕事ありがとうございます」
「スープ美味しかったです!残量も少ないですね、ありがとうございます」
折に触れて、調理員さんに感謝の気持ちを伝えていました。

仕事だし、お給料もらってるんだし。だからやってもらって当たり前、ではないんですよね。
そしてそれを伝えるか、伝えないか。
私たちにはテレパシーは使えないですからね。せっかくの感謝は相手に届く形で送りたいものです


その人の頑張りを労うことの大切さ

学校の給食って、当然ですが給食の時間には学校に届いていないといけない。
なので朝早くから作り始めるんです。


お子さんを持つママなら想像できるでしょうか。早朝のお水の冷たさ。できるなら触りたくない!って思っちゃいますよね。
栃木は1年のうちで寒い時期も長く、しかも調理場全体でお湯が使える施設なんて贅沢!ほとんどないんです。
もちろん手袋をして作業したりと工夫しますが、調理員さんの手はあかぎれたり、荒れがちになるんです。


また、数百食分を一気につくる給食調理は、すごく重労働。
重いものを運んだり、立ちっぱなしでの作業も長いので疲れます。


そんな頑張りを労うことも、していました。
「寒いし、大変ですよね」とお話したり、たまに食材の皮むきなどを手伝ったりもしていました。
お手伝いに関しては「もう大丈夫ですよ」なんて言われて帰されたりしてたので、足手まといだったかも知れませんが…。


感謝とねぎらいは、「愛され力」につながる

ちなみに「調理員さんと連携を図るのは大切な仕事」と私は書きましたが、結局一年しか栄養職員をやらなかったので、そこは色々違うご意見もあるかもしれないです。
本当に小さな調理場だったので、1000食以上つくるような給食センターとは仕事内容がまるで違うかもしれません。

ただ、調理員さんとの人間関係について、困ったり悩んだりしている栄養職員さんが多かったのは確かでした。
「言うことを聞いてくれない」「勝手に作業を変えられてしまう」「この献立はできない!って文句を言われる」そんな話をよく聞きました。

私も相手も人間で。そこには気持ちだったり考え方だったり大切にしている事だったり、自分と「違う」何かがあるんですよね。
これまでの経験からそう思うのか。きつい作業ばかりで疲れているのか。もっとほかの「聞いて!」と言う何かがあるのか。
そこが分からずとも、「違うんだ、そうなんだね」って受け止めることはできるのかなと。

ありがとうと感謝する。
その人の頑張りをねぎらう。
これらを、できるだけ口に出す。
ちょっとした事ですが、それは愛され力に繋がっていくんじゃないかな。
今の私はできているだろうかと、自戒も込めて、書いています。