トラブルの前に「こうしてみたら」の一手を持っておこう

先生の働き方

選択肢が多いと人は決めきれない

先日ママ友と話していたこと。

「毎日どこに連れて行こうか?って考えるのが
地味にストレスなんだよね。
だから毎週火曜日と木曜日はココ行くって決めておくの」

すごく共感でした。

教室を飛び出してしまう子の支援をしていた時
今日はどこにいるのかな
明日は落ち着いて過ごしてくれるかな
行ってみるまで分からない、見通しが持てないって
結構ストレスでした。

百貨店に数種類のジャムを並べて売れ行きを調べる
有名な実験があります。

あまり多くのジャムを並べすぎると
客は選ぶことができず、結局購入にも至らなかった
というものです。

あまりに多くの選択肢があると人は決めきれない。
選ぶ、選ぶために考える、というのは
結構なエネルギーを消費するし(脳も使う)
ストレスもかかる(心も疲れる)
と言えるでしょう。

学級支援ツールを使って、一つの選択肢を持つ

ある年に受け持ったクラスで
人材分析システムを学級支援のツールとして使いました。

この子にはこんな褒め方が届きやすい」
「あの子は作業中にこまめに声をかけてあげた方が安心する」


ひとつの「選択肢」として用意していました。

どんな対応をしようか迷ったら、とりあえずその選択肢を試してみる。
答えをひとつ持っているだけで、特に学級スタートの4月は
気持ちが楽でした。

特に上述した「褒め方」「声をかけるタイミング」については
かなり役立ちました。

皆の前で褒められたい子、目標達成を褒めて欲しい子、プロセスをみて欲しい子
それぞれとっても嬉しそうで、こちらも嬉しくなりました。

トラブルが減るし、起きても慌てず解決できた

とても元気なムードメーカの男の子。
でもその年は友人同士のトラブルが頻発していました。

「彼は優しいし、みんなの太陽みたいな存在。
一方でそのエネルギーが強すぎると受け取る子もいるだろう」

そう把握していたので「やっぱりか」という印象でした。
トラブルというか、本当はコミュニケーションの行き違いです。

揉め事が起きるたび、双方の話を聞き
「叩かれた、って感じたんだね。向こうはそう感じたみたいだよ
「よっ!って肩をポンとしたつもりだったんだね。嫌がらせしようとしたんじゃないんだって
と、子どもたちの間に立って通訳みたいなことをしてました。

子ども同士のトラブルは、起きてしまうもの。
自分たちで解決できるなら、そうしてくれればいい。
サポートが必要なら間に立つ。
その際には「選択肢」が役に立ちました。

影響が行きすぎてしまう子、逆に言っても伝わらなくて手が出てしまう子、
行為の奥にある想いに寄り添う際、そのツールで得ていた特性把握が
役立ちました。

「選択肢」を持っておくことで、悩み疲れる回数が減る

学校現場は毎日、毎時間、選択の連続です。
その都度考え、悩む、疲れる。
ならば「この子にはこうする」「この場合はこんな風に動く」と
選択肢を持っておくことをおすすめします。

もちろんそのチョイスが当てはまらない時もあります。
生身の人間ですから。
でも何をするか悩み疲れる回数は、確実に減りますよ。