音楽はいい。
一瞬でその場の空気を変えてくれる。
例えばどうだろう。
真剣に勉強してる中、ウンジャラゲ〜のハンジャラゲ〜、すいすいーのもーりもりーと聞こえてきたら。
絶対、勉強の手が止まるだろう。
へ?ってなるか、志村けんが踊り回るあのシーンを思い出して、笑っちゃうだろう。
ウンジャラゲ、知らない人はググってください。
でもそれだけ、音楽には力がある。
場の雰囲気や思考を変える、スパイスになってくれる。
初任の年、指導教諭がこんな風なことを言った。
「授業中に音楽をかけちゃダメ、なんて決まりはないしね。上手に使うと良いわよ」
だいぶ前に流行った「image」のベスト盤をいただいた。
結局どんな場面で使えばいいか、すぐにはピンと来なかった。
余裕が無くアップアップしてたのもあり、その年はアドバイスを生かすまでに至らなかった。
次の年、体育の時間に音楽を使い始めた。
準備体操のために、毎回ラジカセを持ち歩いていた。
なので、そういえばあのアドバイス、ここで使えないかなと思い立ったのだ。
声を張り上げて指導するのは疲れる。特に、ヴァイタリティー低めな素質の私には合わない。
なので「この曲が終わるまでに片付けお願いしまーす!」と言って、ラジカセをポチ。
毎回同じ曲が流れるので、早く片付けが終わりそうだとか、これは急がないと間に合わないとか、子ども達も感覚的に分かる。
これはよかった。
ボールゲームの時にも音楽が使えた。
曲が鳴り終わったら、試合も終わり。笛を吹かずに済む。
私の代わりに、音楽にバリバリ働いてもらっていた。
体育と音楽は、とても相性がよかった。
跳び箱やマットなど、器械体操と呼ばれる授業では、楽しく活動を進めるために大活躍だった。
どうしても跳べない。
怖くて回れない。
延々、できないことに取り組まされる。
跳び箱やマットは、苦手な子にとっては苦痛な時間だ。
そこに音楽を取り入れた。
「じゃ、Choo Choo train流すよー」
曲に合わせてマットの上で演技が始まる。
やってみながら話し合う。
「ここ、マット二つ並べたらどんな?」
「おれ、お前と一緒に前回りするからよ。せーの!って言ったら、一緒に回るんだよ。」
「最後のジャジャン!のところは、集まってポーズしれってよ。どうする?」
テーマ曲に合わせて、マットを取り入れた演技を発表する。
単元の最後にそれを設定した。
できる技をやればいい。自分のレベルにあった技をやればいい。
また、技ではなく魅せ方の工夫ができるのも良い。
マットの配置や、時間差で回るなど、観てる側からは「おおーっ」と歓声が上がる。
マット嫌いだったけど、みんなで演技して楽しかった。
体育の苦手な子からその感想が聴けた時は、ガッツポーズしたくなるほど嬉しかった。
体育を皮切りに、授業のいろんな場面で音楽を活用し始めた。
続きはまた次回。
国語でも、図画工作でも。
音楽は、楽しくて学びある授業のスパイスになります。
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