「ヤスノさん、若く見られるでしょう。」
初めて行った美容室で、担当のお姉さんに言われた。「いえ、どちらかというと年齢より上に見られますねー」と返しながら、どこをどう見てそう言ったんだろうと考える。
全く可愛くないったらありゃしないなぁ、と自分で呆れる。
人の生まれ持った素質を紐解く学問を学んでいる。伝わりやすい言葉かけや、されて嬉しい対応の仕方は、どんな素質を持っているかによって実は違う。
なのでその人に合った声かけを工夫したり、互いにすれ違っている子どもたちがいたら、「相手はこう受け取ったのかもしれないね」などと、お互いの伝え方、受け取り方の違いについて伝えたりしている。
「若く見られるでしょう」ひとつ取っても、嬉しい!と喜ぶ人や、私のように「どこ見てそう分析したの?」と穿ってかかる人、それぞれだ。万人が喜ぶだろうと思って、その言葉使ったらダメだぞ。
私と2歳しか歳が違わない、目がパチっとした可愛い担当さんに、髪の毛をブローしてもらいながら考えた。ホント意地が悪い。
私のように褒め言葉の根拠を探ってくるタイプがいる。そう述べる理由を知りたいし、それに納得できるかどうか、判断したい。同年代のお客さまを沢山見て来ましたが…とかだったら、もう少し素直に「嬉しい!」って私も言ったかな。
こういう、発言の根拠を問うてくる女性がパートナーだったら、安易にホメちゃだめですよ。墓穴掘りますよ。
その人に実力や実績があるかも重要なファクター。
そもそもこの美容師さんにお願いしようと思ったのは、インスタに上がってくるお客さまの感想や「長持ちするショート・ボブカットが得意です」とあるのを見て、どうなのかな?と興味が湧いたから。仕上がり次第では、次も来たいと思うし、同じことを褒められたら今度は嬉しいって思うかもしれない。
その人との関係性によって、「若く見られるでしょう」を受け取る・受け取らないが変わってくる、似たようなタイプがいる。
この子たちは、言葉の根拠ではなく、信頼するその人自体に価値を置いている。「大好きなこの人が言うのなら、そうなのかな」って思う。
さらに、自分自身を褒められるより、相手のために自分が貢献できたことを何より喜ぶ、素晴らしい価値観の持ち主だ。「こんな風に若く見られるお母さん、参観に来てくれたら息子ちゃんも嬉しいでしょうね〜」みたいな褒め言葉のほうが、自分単体で褒められるよりも喜んでくれるはず。
褒められたら嬉しい!テンション上がる!ある意味褒めがいのあるタイプもいらっしゃる。「若く見られるでしょう」って言われたら、そうですかー!となって、ウキウキになっちゃう。
長男はこのタイプ。嬉しくて嬉しくて、踊り出しちゃう。クラスの担任の先生は、そんな調子の良い息子を面白がってくれていて、ありがたい限りだ。
美容室って大抵、最初のカウンセリングで生年月日も伝えるところが多い。そこからお客さまの素質は3タイプのうちどれかな?って見ておくだけでも、すごくよかったなー、また来ようなんて思ってもらえること、増えるんじゃないかなぁ。
散々可愛くない理屈をごねてたけど、髪の毛の仕上がりは、すごく満足でした。伸びて来ても前より長持ちしたら、さらによし。私の中ではこの美容師さんは、信頼のおける人に認定です。次行って「若い」って褒められたら、喜んじゃうかも(笑)
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