ストリートファイター、バーチャファイター、ぷよぷよ。
昭和生まれの世代には懐かしい、ゲームセンターに置かれていたゲーム機たち。
こういうバトル系のゲームって、2人で対戦ができるように作られています。
友達同士とか、イベントの対戦相手とか。
何かしら繋がりがあるから、一緒にゲームするっていうのは、理解できる。
でも全然知らない人と「対戦しましょう」ってゲームしているのは、見た記憶がない。
なんと今時のゲームは、知らない人とその場でペアを組み、協力してプレイするんです!
昭和生まれの私には「なんと!」って印象なんだけど、あなたはどうだろう。
「そんなの普通じゃん」って思うなら、きっと若いんでしょうね。
自宅近くにあるショッピングモールに、食料品を買いに来ました。
長男も一緒です。
彼には魂胆があります。
一緒に買い物に付き合うついでに、ゲームセンターへ行きたい。
そこで「ポケモンメザスタ」というゲームがやりたいんです。
ポケモンメザスタ。
小学生、中学生の子どもがいる方は、ご存知でしょうか。
いろんなポケモンをゲットする。
それを家庭用ゲーム機ではなく、ゲームセンターでやるんです!
バトルで勝つと、個々のポケモンのデータが入った「タグ」と呼ばれるものがゲットできます。
それをどんどん集めていくのが面白いみたい。
長男は絶賛、ポケモンメザスタにハマり中。
「お金かかるからダメ!」みたいなことを言っていた夫も、ゲームボーイでポケモンをプレイしてた頃が懐かしくなったみたい。
「みずタイプが敵だったら、でんきとかくさとか出さないと勝てないよ!
次行く時はこのタグ持ってくよ!」
なんて言って、長男を連れて、しょっちゅうゲームセンターを訪れています(やりたいの絶対、パパだよね)
「今日はゲームするの、1回だけだよ」
ポケモンメザスタのゲーム台に座る、長男の後ろでクギを刺します。
私も昔ポケモンやってたし、見てるのは楽しいんだけどね。
このゲーム、最初に入れるのは100円玉一枚でいいんです。
でもね、ポケモンをゲットする時には新しく100円がかかるんです。
たくさんポケモンをゲットしたいなら、ポケモンの数だけ、100円玉が必要です。
長男は「たくさん捕まえたい!」と、前回は100円玉を5枚も、マシンに投入してました。
結局ゲットできたポケモンは、既に持っているものばかり。
勿体ない!と、お父さんにこっぴどく怒られていました。
この機械一台設置するだけで、ゲームセンターはとんでもなく儲かるだろうな。
長男がゲームを始めようとすると、隣に男の子がやって来ました。
後ろには、彼のお父さんらしき人。
小1の長男より年上っぽい、メガネの彼。
ポケットからスッと100円玉を出し、機械に入れました。
ゲーム専用のタグ入れボックスを持っている。ゲームし慣れているなという感じ。
ジャジャーン!と音が鳴り、びっくりして画面を見る。
「スーパースターが現れた!タッグバトルしよう!」と表示されている。
どうやら、めちゃくちゃ強いポケモンが現れたらしいです。
2画面だったゲームの表示が、ひとつの大きな画面に変化しました。
隣の子とペアを組み、協力して強いポケモンを倒せるモードに、自動で切り替わったみたい。
隣のメガネくんは「いくよ?」みたいな顔をチラリと長男に見せ、選んだポケモンタグをササっとゲーム台にセットする。
慌てて長男もポケモンタグを選び出す。
スーパースターポケモン(レックウザだったかなぁ)とのバトルが始まった。
2人はそれぞれのポケモンで、技を出し合う!
途中男の子のルーレットが当たり、「ダブルわざ」という、2人一緒に攻撃を繰り出すモードになった。
男の子のポケモンと長男のポケモンが、2匹一緒に攻撃を出す。2人で協力してるんだー、って感じだ。
このダブルわざがとどめになり、スーパースターポケモンが倒れました。
「スーパースターポケモンをゲットしたよ!」と画面が変わる。
そのポケモンのタグがカチャッ、とタグ受けに落ちてきました。
「いえーい!やったー!」
滅多にゲットできないポケモンを捕まえられて、嬉しさが爆発している長男。
メガネ君は淡々としてる。けどちょっと嬉しそう。
後ろで見ていたお父さんが、彼の頭を撫でた。よかったなー、ってことだろうな。
ゲームが終わる。
特に挨拶を交わすこともなく、メガネ君とお父さんはその場を離れる。
「ありがとうね」と声をかけるつもりでいた私は、ちょっと拍子抜け。
長男は長男で、小躍りし続けている。テンション上がりすぎてポーチを落として、タグを床にぶちまけた。
はあ、と呆れつつ一緒に拾う。
「前もさ、こうやってタッグバトルしたんだよ。
前はポケモンゲットできなかったから、ラッキーだよ!」
別な日にお父さんと来た時にも、知らない子と一緒にゲームをしたことがあるみたい。
そうだったんだね、と返事したけど、なんか不思議な感覚。
目的が一緒なら、知り合いじゃなくっても、その場で協力して課題をクリアする。
終わったらあっさり解散。
次また会うかもしれないし、もう会わないかもしれない。
昭和世代の感覚では、ちょっと不思議に見えるこの関係性。
これからの世代には割と普通な感覚なのでしょうね。
いい悪いではなく、そういうもんなんだな、きっと。
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