最近親しくなった友人に、フリーアナウンサーとして働いている方がいる。
その方が先日、お寺の国宝の特別展示に行かれたという話をしていた。
普段公開していない、国宝の壁画。その絵の説明を、寺のお坊さんがしてくれたそう。
お坊さんの話し方がとても魅力的だったので、どんな良さがあるんだろう?と観察して、感じたことを記事の中で紹介していた。
さすが、フリーアナウンサー!視点が鋭いなと感激する。
学校の先生も、伝えることに関してはプロ。
フリーアナウンサーの彼女が言う、「聴衆の目を見て話す」や「笑いを交えつつ、飽きさせずに聴いてもらう」など。子どもたちに関心を持って聞いてもらうよう、伝え方に気を配っている。
彼女の記事を読んで、思い出したことがあった。子どもたちの前に立って話す時、「始めの一音をはっきり発音しよう」と、気をつけていたんだ。
長男が小学校に入学してから、立哨登板なるものが月に一度回ってくるようになった。
子どもたちが朝登校する際に、車通りの多い交差点などに立ち、安全に登校できるお手伝いをするボランティアだ。
沖縄の学校だと、地域のおじいがボランティアでやってくれていることが多い。ほぼ毎日、同じ人がそこに立ってくれるので、子どもたちもすっかり仲良くなる。
転んで怪我をしたとか、行き渋って困ってる時には、校門までボランティアのおじいが一緒に付き添ってくれたりと助けられていた。
ここも同じような感じだと思っていたので、初めの頃は「面倒だな」という思いが正直あった。2歳児を連れて交差点に立つのは、逆に危険じゃん、と夫に憤りをぶつけたこともあったな。結局は出勤を少し遅らせて、夫が次男を家で見て、私は立哨登板に向かうスタイルに落ち着いた。
4月当初は挨拶をしても「おはようございます」と返してくれる子は少なかった。5月、6月と日が経つに連れて、挨拶を交わしてくれる子が増えた。
そのうちに「どうやったら、挨拶を返してくれる子がより増えるかな」とゲームみたいに考えだした。
みんながみんな、返してくれとは思ってないけど、どうせやるなら、ちょっとでも多くの子にハッ!と気づいてもらって、「おはよう」って言ってもらいたい。
すごく暑かったので、7月か9月頃のことだと思う。いつものように黄色い旗を持ち、「当番中」みたいな文言が書かれたタスキを肩にかけ、歩いてくる子どもたちに「おはようございますー」と挨拶を繰り返していた。
おはようございます、と言ってるつもり。
なんだけど
…はようございます
…はようございます、あれ?
最初の「お」、言ってるつもりだけど聞こえない。無意識のうちに、自分の挨拶がそうなってることに気づいたのだ。
小学校の先生になった最初の年。私の指導をしてくれていた先生が、話し方についてこんなアドバイスをくれた。
最初の一音が聞こえないと、こどもたちはこちらを向かない。
あるいは聞こえにくい、聞こえない、分からないっていうことにもなる。
なんで聴いてくれないの?じゃなくて、自分の話し方に改善点があるのかな?って視点で見るんだよ。
そんなことがふっと、蘇ってきた。
ああ、そういうことだったのかー。挨拶してくれない、じゃない。私の挨拶が聞こえなかった、届いてなかつた。それだけ。
最初の一音「お」にアクセントをつける気分で、「おはようございます」と挨拶をしてみる。
すると子どもたちがハッ、とこちらを見る。
「おはようございます」と返ってきた。
私もただ挨拶してるだけで、「届けよう」って意識してなかったんだ。うわー、気持ちいい、
自分の言ったこと、なんで相手に届かないのかな?実はシンプルに聞こえていない、届いていないだけなのかもしれない。
もし、そんな悩みがあるのなら、「最初の一音にアクセントをつける気持ちで喋ってみる」を試してみてはどうだろう。
自分の話し方に改善点があるのかな?って視点で見るんだよ。
この言葉は私にとって、色んな場面で役に立つ金言だな。
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