効率よく、なるべく多くコンテンツを消費したい、というのが今の時代のニーズ。
コンテンツを作る側も、音楽で言えば、まずはサビを聴かせようとするらしい!
一番良いところ、盛り上がるところ(サビ)を先に聞いてもらう。
そうしたら、購入しようかな、とかサブスク視聴してみようか、と動いてもらいやすい。
なるほど、adoちゃんの曲とか、結構そんな感じだぞ。
この話を聞いた時に、学校の教室での、子どもたちの様子が思い浮かんだ。
タイムパフォーマンス、タイパを重視したコンテンツに囲まれて生活している子どもたち。
集中できる時間が、短くなっていた。
育休を3年いただき、復職して、担任を受け持った。
その時「あんまり長く話を聞けないな」と感じたのだ。
久しぶりのお仕事だから、と管理職も配慮してくれて、受け持ち経験のある学年に配置してくれた。
だから余計に、昔一緒に学んだ子どもたちと比べてしまったのかもしれない。
このくらいの長さなら大丈夫かな、という話でも、途中でぼーっとして聞くのを辞めてしまう。
しかも結構な人数の子どもたちが、そうなってしまう。
「ニンテンドースイッチ持って、あの公園に集合な!」育休前は、そんな子ども達の会話をよく聞いた。
このクラスでも「帰ったら◯時に集合な」と男子数名が喋っていた。どこに集まるの?と聞いたら、ゲームの中だよ、と言う。
一瞬頭にはてなマークが並ぶ。
「ネットでゲームするんだよー。で、みんなでチームを組むために、この時間に集合ねって決めてるの」
集合っていうのはつまり、その時間にゲームへログインして待ってろよ、そういうことみたい。
たった3年で、子ども達の遊び方が様変わりしていて追いつけない。めまいがしそう。
女子は女子で、TikTokや可愛いYouTuberの話に夢中。
こんなにたくさんの情報に囲まれていたら、長ったらしい先生の話なんて、つまらない。
聞く価値ないって判断されても仕方ないよな。
そう思った。
そんな子ども達の状況を踏まえて、あなたが教師ならどんな風に授業を組み立てていくだろう。
短い時間しか集中できないなら、それに合わせて工夫してみよう。
と、授業の作りを考え直すことにした。
1授業は45分。
それを10〜15分に区切る(モジュール授業というらしい)。
子どもたちに音読してもらったり、グループで話し合ってもらったり。
黒板に答えを書くのをやってもらったり、書いた答えをボードごと貼ってもらったり。
子どもたちが「待つ」「ぼんやりする」時間を少しでも無くそうと、やれる活動は、子どもたちにどんどんやってもらった。
おかけで私の板書スキルは、全然伸びなかったな…。
授業参観のたびに、黒板に字を書くのが嫌で仕方なかったなあ。
今の子たち、全然話聞けないし、集中しないんだよね。
職員室でそんなことを言ってる先生がいた。
私だけじゃない、気づいてる人がいるんだ。
この先生は、どうやって授業をしていたんだろう。
昔ながらのスタイルに、子ども達を合わせようとしても合わないんだ、そんな不満を言っていたのだろうか。
すごいスピードで変わっていく社会。
その中を生きていく子どもたち。
学校の先生は、子どもたちとどう向き合えば良いんだろう。
多分難しく考える必要はなくて。
目の前の子ども達をよく観察して、子ども達に合った教育を提供する。
結局はシンプルなことなんだと思う。
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