「合わない」人でも諦めない。伝え方を工夫しつつ、相手へリクエストを送ってみて。

教育

なんか、あの人と合わないんだよね。

「どんなところが合わないの?」と突っ込んでみると、「なんとなくそうなんだよねー。」と答える人。確かにいたりしますよね、なんとなくウマが合わない人。

一方で、具体的なエピソードを答える人もいます。

例えば子どもの担任が「宿題の出し方が細かすぎてさ」とか。

「連絡がなんか雑なんだよね。もう少し丁寧にして欲しいんだけど」とか。

合わないというか、違いに納得できない。そんな感覚でしょうか。

「あの人と合わない」って思った時。もしも「合わない」と感じる理由がはっきりしているなら、それは解決できます。

伝え方を工夫しつつ、「こうして欲しいんだけど、どう?」と、相手にリクエストを送ってみることです。

思えばあの時の私も、「もうこの先生とは合わない」と諦めないで、「これが嫌なんだ、ここに困ってるんだ」と、言えばよかったんですね。

中1の時の出来事です。どの女子グループにも入れず、私はクラスで浮いた存在になっていました。

そのクラスでは毎週水曜日、給食の時間に「自由席」で食べていいということになっていました。

すごく嫌でした。だって、一緒に食べようと誘う人も、誘ってくれる人もいないんだもの。

担任が「なつみさんも入れてあげなさい」と言うから、渋々、どこかのグループが私のために席を空ける。惨めでした。

その先生は育休明けで、2学期からクラス担任をしていました。だから最初は、私がクラスで浮いているのに気づかなかったようです。

しばらくして、変だと気がついたのでしょう。放課後、私は担任に呼び出されました。

渡り廊下で先生と向かい合う。背の高い先生が、少し見下ろすようにして、私を見ています。

「いつも給食の自由席、入れなくて困ってるよね。誰にも言わないから、どうしたのか先生に話してもらえるかな?」

私の気持ち、分かってくれるんだ。すっかり安心し切って、先生に現状を話しました。友達と言い合いをした後、クラス内で女子グループに入れず浮いていること。給食の自由席で嫌な思いをしていて、1学期からそれが続いていること。

次の日、部活から帰ってきた私を母が問い詰めます。「あんた、クラスで仲間はずれになってるの。なんでお母さんに言わなかったの。」

喋ったな。 

誰にも言わないって言ったのに、先生はウソ付いたんだな。

この人は信用できない。この人は私とは合わない。

当時はそう思いました。「合わない」と言うか、先生は困りごとを解決してくれないな、と失望したんでしょうね。

しかも一番のストレスだった、毎週の給食自由席が、結局3学期の終わりまで続いたんです。

それが嫌だと言ったのに。なんで止めてくれなかったんだろう。

私も母とちゃんと話して、親子2人で担任に「給食の自由席が辛い。もう止めて欲しい」と相談に行けばよかった。そうしたら、担任も考えたのかも知れない。

たらればの話ですけどね。

「もう先生は信用できない。理解し合えない」と、関わるのを諦めてしまった、中1の私。

当時の私が聞いたら「ああ、こうすれば良かったんだな。」と、スッキリしただろう。そんなお話を、先日出会ったお母ちゃんから聞きました。

息子さんのために諦めず、なかなか折り合えない先生と、工夫して向き合い続けたお母ちゃん。感動しました。

そのお母ちゃんの息子さんは、今年小学4年生。

黒板の字をノートに写すとき、一度に覚えられる量が、他の友達に比べて少ない。なのでどうしても、書き写しに時間がかかってしまう。

小3くらいから、お友達と自分を比べるようになり「自分はなんでできないの」と、息子さんは劣等感を抱くようになってしまったそう。

書く分量を調節するなど、本人のしんどさが減るような配慮をお願いできないか?

と、担任に何度か持ちかけたけど、なぜか渋られる。

「そうなんですね。なんでだろう…。」話を聞きながら、私はただただ、理解できませんでした。

「ね、私も最初は怒りが込み上げてきたり、もうこの人とは、一年だけの付き合いだから!と諦めようってしてたんです。

でもね、息子のためにまだ何かやれるんじゃないか、って考えて。」

そのお母ちゃんは学年主任の先生や、特別支援担当の先生にも相談を持ちかけたんだそうです。「息子を助けて欲しい。ストレスを減らして学べるように、やれる範囲で良いので、サポートをお願いしたいです。」

そしたら、学校の様子に変化があったらしいのです。

学年主任の先生が「私の方からも、それとなく担任に伝えてみましょう」と動いてくれたり、支援学級で時折、息子さんの学習の様子を見てくれたり。

「『主任や支援級の先生が言うなら…』という感じではあるけど、担任も、教室でもやれるサポートをしてくれるようになりましたよ。」

私が直接言うより、先輩の先生方からお願いされた方が、スッと受け入れてくれたみたいで。ちょっと苦笑いしつつも、お母ちゃんは話してくれました。

「担任とは合わない」って、諦めなかった。息子さんのためにあの手この手を考え、試してみた。

凄いなと思いました。

相手の性格や考えを変えることは難しい。人はそう簡単に変わらないです。

でも改善点だったり、代わりの提案をしてみることはできます。

もしも、この人とはもう合わない、と関係づくりを諦めそうになっている人がいたら。

もう一回だけ、伝え方を工夫しつつ、相手にリクエストをしてみませんか。

これを一番伝えたいのは、昔の私かも知れないな。

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