【速報】本日沖縄県の中学校で行われた「イスから立たせる」ワークショップで、2021年の10月以来、約2年3ヶ月ぶりにイスから立ちました…!
1週間くらい前。
facebookの投稿を見て、思わず「まじかー!」と叫びそうになりました。あのワーク、成功したの!?見たかったー!
沖縄で小学校の先生をしていた頃、とあるワークショップに毎年申し込みをしていました。
「コミュニケーション能力向上のための芸術事業」そんな風な名前のワークショップだったはず。名称が長過ぎて、思い出せない…(演劇ワークショップ、と以下書きます)。
お芝居や音楽を使って、子どもたちとひとつの作品を作り上げながら、コミュニケーションスキルを養っていく、という事業。
芸術庁が主催していて、条件さえ満たしていれば全国どの学校も応募できます。
いつもの授業とは少し違う。外部講師さんの力を借りて、思い切ってチャレンジができる。
しかも「お芝居を作って演じる」なんて、非日常な体験、なかなかできない!
以前いた学校では、教育委員会が申し込みを担当してくれて、毎年コンスタントに実施させてもらっていました。
その年は学校を異動したばかり。事業自体を知ってる人が誰もいない。
そんな中で学年主任にOKをもらい、管理職にお願いし、教育委員会に書類を上げてもらい…と、かなりの面倒を経ての申し込み。
めでたく実施通知が届き、「やったー!」と1人喜んでいました。
どんな事をするかは、実施が決まってから、担当の方と打ち合わせします。
小学校中学年は大抵、「お芝居を作ってみよう!」というワークです。学年が上がると「椅子から立たせよう!」「アンチ大魔王」なんてワークをやることもあるみたい。
そう。「椅子から立たせよう!」は、どうしても椅子に座って本が読みたいとある人を、あの手この手で椅子から立たせよう!と、子ども達が策を練るんです。ちなみに椅子から立たせるために、触っちゃダメ。できるのはリアクションと言葉かけのみ。
一見簡単そうだけど、私はこのワークが成功したのを見たことがありません。自分と違う考えを持っている人を動かすって、それだけ難しいのですね。そんなワークが成功した瞬間。立ち会って見たかったなぁ…。
子どもたちにも「今度特別授業があるよ。みんなで劇をつくるよ!しかも、龍神マブヤーの俳優さん来るからね!」と、1週間くらい前に伝えました。(沖縄県内で放送されていた戦隊モノで、当時の子どもたちには大人気!)。
もうテンション上がりまくり。ワークショップ当日を、あと何日?と、指折り数えて待ち望んでいました。
そして迎えた当日。楽しみにしていた分、そして俳優さんと一緒に何かができる、特別感で、普段よりコミュニケーションが弾みます。
あまり積極的に意見しない子も、アイデアを出そう、喋ってみようと一歩頑張ります。
チームに1人入ってくれる俳優さんが「それいいねー!」と場を楽しくしてくれるので、みんなの頑張りがさらに加速します。
出しゃばり過ぎて喧嘩になったり、ヘソ曲げて拗ねたりする子もいたけどね。それも学び。
担任の私は、カメラマンに徹しながら、ずっと笑ってその様を眺めておりました。
その年のワークショップは、2日に跨って行われました。
1日目で劇のテーマが出されて、それに沿って劇を練り上げる(3分程度の短い劇です)。2日目はちょっとだけおさらいをして、クラスみんなの前で発表会。
どの劇もすごく、すごーく、面白い。
人間に助けてもらった怪獣が恩返しにやって来たり、竜巻に取り込まれたペット達を必死になって救ったり。
こんなストーリーよく考えついたな。
そんな中で印象に残っているチーム。
実は劇をやりきれなかったチームが、一つだけありました。
練習の段階では、劇も仕上がっていたんです。ですが本番になり、1人の女の子がある部分にこだわってしまい、そこから先へ進まなくなってしまいました。
時間切れとなり、そこまで。
ショックを隠せないチームの子達、自分が悪かったと気づきつつ、それを受け入れたくない女の子。
そのチームに俳優さんがかけてくれたフィードバックが素敵だった。
「劇が最後まで見たかったから、正直残念だったね。そうなってしまった理由も、本人達が良くわかってると思う。
いい経験をした!劇は失敗だったかもしれないけど、そもそも劇の成功・失敗が今回のゴールじゃないんです。
この経験が今後のみんなに生きていってくれればいいなと思います」
チームの子ども達の表情も、固まっていた場の空気も、ふっと和らいだ。
さっ、次のチームどうぞ!
よーし、俺たちのチームだぜ、いくぞー!
と鮮やかに場を切り替えた、俳優さん達も見事だった。
ワークショップが終わって1週間ほど経った頃。あの女の子に変化が起きていたのを発見しました。
劇の際にこだわりを崩さなかった女の子。彼女が、休み時間に友達と遊ぶ際、意見を譲っているのを見かけたんです。
あっ。彼女、成長したんだな。
劇は失敗しちゃったけど、ホントいい経験だったんだな。
全国どこの学校でも実施できる、演劇ワークショップ。
あなたが学校の先生なら、まずは申し込んでみて(私みたいに勝手に動いたら、管理職に怒られるので注意)。
小中学校に通う子を持つ父ちゃん母ちゃんなら、ぜひ先生方に持ちかけてみて(こんな学びもあるのか!と、先生方の変化にもなりますよ)。
ゆくゆくは地域の劇団さんと連携しながら、あちこちで自主的に、楽しい学びの場が増えて行ったらいいなあ、なんて妄想しています。
↓こちらの本もオススメ。演劇ワークショップの先駆者、平田オリザさんの著書です。
https://www.amazon.co.jp/コミュニケーション力を引き出す-PHP新書-平田-オリザ/dp/456977105X
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