毎日毎日忙しくしていると、自分の声が聞こえなくなってしまいます。
「本当はこう思う」「こうしたい」という、心の声です。
実際には心の声が聞こえなくなっていることにすら、気づいていない人がほとんどでしょう。
心の声が聞こえにくくなっている。そんな時の感情のサインは「怒り」なんです。
怒りの感情が出てないか?怒りっぽくなっていないか?と怒りのサインを見つけ「ああ、私は怒っているな。」と気づく。
そして、その怒りがどこから来ているのか。その怒りが本当はどんな気持ちから来ているのか。
眺めていただきたいです。
まずは「怒っている」に気づくだけでもOK。それだけでもスッキリしますよ。
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「いつも自分のことしか考えていないんだから!」
この言葉を聞いたのが、慌ただしい夕方のスーパーでした。
お母さんが、自分の子どもに向かって言っていました。
言葉の勢いに驚いてしまい、詳しいシチュエーションは忘れてしまったのですが、
お母さんは何か、自分にとって都合の良くない事が起きていたんでしょう。
私はびっくりしました。なんだか自分が言われていたような、自分も言われたことがあるような。そんな気持ちになりました。
同時に、お母さんの気持ちも心に流れ込んで来るような感じがありました。
悲しいんだな。傷ついているんだな。そう感じました。
怒っているお母さんが悲しい?それはどういう事なのか、見ていきましょう。
怒りの感情の奥には、ホントの思いが隠れている
言葉から、表情から、雰囲気から。
誰が見ても明らかに、前述のお母さんには「怒り」が表れていました。
怒りは二次感情です。その下に、さまざまな一次感情が隠れています。
「〜だから、怒っている」ともうひとつの気持ちが隠れているのです。
例えば次のような感情ですね。
傷ついた、がっかりした、心配、不安、悲しかった、など。
私が感じたそのお母さんの怒りの下には「傷ついた」「悲しい」がありました。(私が受け取っただけで、その方にインタビューしたわけじゃないですけど)
私だって、自分が思うように行動したいの!
→でも、できない。できない自分はダメなんだ。自分で卑下して傷つけている。傷ついている。
こんなに頑張ってるんだから、私の事もっと認めてよ!
→認めてもらえない、労ってもらえなくて悲しい。
そんな思いが「怒り」という二次的な感情になって、表に現れているのです。
怒りへの対処法は、まず「気づく」
では、そのような「怒り」とどう付き合っていけばいいのでしょうか。
リストで効果的な対処法を並べるといいかもです↓
・気付く
・私怒ってるなぁとつぶやいてみる
・その場、対象から離れる
・上を向く
・実況中継してみる
まずは「怒っている」という自分の状態に気づくことから、始めてください。
「ああ、私怒ってるなぁ」「すごいムカついてるな」「イライラしてるんだなー」と呟いてみるんです。
そうすることで、目の前の出来事と自分とを、切り離すことができます。
自分を上から眺めている感じ、または一歩引いてドラマを見ているような感じ。
人によって表現は様々ですが、そういうイメージで自分を捉えられたら、上手く客観視できているという事です。
必要であれば、その場や相手から少し離れましょう。
物理的に距離も取れるし、余裕も作りやすい。相手がいれば、その人に対してさらに怒るのを避けることもできます。
上を向いてしまうのも効果的です。人は上を向きながら、ネガティブな事を考えるのが難しいです。
アナウンサーのように、自分を心の中で実況中継してしまうのもいいです。
「さあ、娘に怒り噴出の私。ホントなら私だって自由に出歩いたり、好きなもの買ったりしたいんだ!さぁこれから私はどんな行動に出るのか!?それとも出ないのか!」
なんて喋ることで、だんだん冷静になってくるでしょう。
その時に「ダメだ」などのジャッジは必要ありません。まったく要りません。
怒らない人なんて世の中にいませんから。
まずこれだけでもやれると、怒りに振り回されたり、さらに良くない結果を招いてしまう…というのが避けられます。
可能であれば、怒りの根っこと向き合ってみる。
可能であれば、「怒り」を引き起こした本当の思いにも向き合ってみましょう。
様々な方法がありますが、ここでは一人でもやれる方法を紹介します。それは「書くこと」。先ほどの「呟く」同様、自分を冷静に見つめるのに効果的です。
例えば「私は傷ついた」「私はがっかりした」「私は心配だった」「私は不安だった」「私は悲しかった」と書き出してみて、一番しっくり来る、ピンと来るのはどれかを眺めてみます。
できそうなら「私は悲しかったんだな。何が悲しかったんだろう」と続けて書いてみます(この問いも呟くだけでなく、書いてみるのをおススメします)。
もしそこで答えが出てきたら「ああ、そうだったんだね。私も頑張ってるのを認めてもらいたかったんだ。気づけて良かったね」。
出てこなくても、それはそれでいい。自分に尋ねる、アクセスする時間を取ってあげたこと自体が素晴らしいことです。
自分をなでなで、ハグしてあげてください。
怒りと上手に付き合えると、自分の本音が見えてスッキリします。
人は本当は、怒りたくて怒っているのはありません。
自分の奥にある、悲しみや不安、心配という感情が「怒り」を発動させているにすぎません。
それを冷静に眺めることができれば、自分の感情と上手にお付き合いできます。
俗に言う「アイメッセージ」で、自分の思いや希望を伝えることもできるようになるでしょう。
まずは「私、怒ってるなー」と呟き、怒りに気づくことから、やってみて欲しいなと思います。
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