あのライザップも使ってる!TTM理論✖️多忙な先生方との関わり方②

先生の働き方

前回の続きです。

市役所で栄養士として働いていた私。

健康診断の結果が「要注意」だった住民の方々に、役所に来て面談を受けてもらったり、健康づくり教室に来てもらったり。

いわゆる「保健指導」を受けてもらうための、お誘いをする。

そんなお仕事を任されました。

さて、どうやって住民の皆さんを誘ったらいいのか。

先輩に尋ねると「できるとしたら、方法は3つかな」と教わりました。

  • 市の広報に載せてもらう
  • 案内の封筒を送る
  • 直接お電話をかける

市の広報には、おそらく保健師さんが毎月、健康に関する情報や案内を載せてくれていたはず。

なので私たちはお手紙づくりと、電話かけ。

でもね、お手紙と電話で、市役所に出向いてもらうって、なかなか難しいんですよね。

そもそも市役所から届いた封筒を開けて「健診結果が要注意ですよ、健康づくり教室に来ませんか?」って書いてあるのを見て。

はっ、健康づくり教室だって⁉︎ うわーやばい、行かなきゃなぁ

って思ってくれるなら、多分のその人は自分でも、健康に気をつけた取り組みをすでにしているはずなんだよね。

本当に来てもらいたい、生活改善しないといけない!っていう人には、なかなか届かない。

お電話も、役所が開いてる日中にかけるのですが、お仕事中の人も多く、なかなか繋がらない。

繋がっても、◯◯市役所の者です…と伝えると、途端に相手の声色が変わる。

「何?保険料ならちゃんと払ってるよ?」

とつっかかられたり、

「大体あんた達がちゃんとした税金の使い方しないからね…」

となぜか説教されたり。

なんでこんなに、知らないおじさん達に怒鳴られないといけないの?大学を出たばかりの私は、泣くのを堪えて、ノルマをこなしておりました。

「国保の人はね、自営業の人も多いからね。忙しくて、自分にかける時間が取りづらいのもあるかもね。」

仕事場の私の机は、国民健康保険課のはじっこにありました。その課で長く働いて来た課長が、ふっと教えてくれました。

時折、課の窓口に怒りをぶつけにやってくる住民がいました。

「なんで毎月、こんなに保険料がかかるんだ!もう払わねーぞ!」

みたいな感じで、おじさんが怒鳴ってるんです。

そういう困った人が来ると、課長が出て行きます。

課長は、怒ったおじさんの話をひと通り聞きます。

「そうですよねぇ」

「大変ですよねぇ」

「すみませんねぇ」

なんて相槌を打ちながら、ずーっと怒っている相手の話を聞いています。

次第に怒ってたおじさんは、落ち着いていきます。

最後には「分かったよ」とか、「仕方ねぇな」とか言いながら、おじさんが帰っていく。

課長の対応を、いつも感激しながら眺めていましたが、おじさん達の背景も汲みながら、課長は話を聞いてたのかもしれない。

そう思いました。

会社に属さず、仕事のあれこれを全て自分で請け負っている。

そんな方が、平日2時間、役所で面談したり、健康づくり教室に参加する。

その2時間で、あの仕事もこの作業もできたのに…。なんならお誘いの電話に取られる時間も、もったいない!

私が同じ立場なら、そう思うかもな。

いくら健康な身体や、運動習慣が大事と分かってても、仕事が成り立っていなければ、収入が無ければ、健康づくりに時間を割いている余裕が、ないですよね。

その人の状況によって、大事なことも、大切にしたいことも違うんだよな。

課長にその話を聞いてから、「健康づくり教室に来ませんか」のお電話をかけるのが、少しだけ面白くなりました。

この人(これが大概おじさんばかりでした)は、どんなお仕事をしてるのかなあ。

電話の向こうのおじさんに、前より興味がわくようになりました。

「今お仕事中ですか?」

「そうだよ」

「そうですか!ですよね、忙しい中すみません」

「いや、少しくらいならいいよ。なんなの?」

ここで「そう、忙しいから切るよ!」って切られちゃうことも多かったけど。

そりゃそうだよねと捉えられるようになりました。

そのままお話を聞いてくれる方には、こちらの用件も伝えつつ。

どんな仕事をしてるのか、普段どんな風に生活されているのか。時間の許す分だけ、お尋ねするように、電話のかけ方が変わりました。

自分で飲食店をしている人、仕入れ業者さん、酒屋さん、色んな職種の方がいました。

長話になりすぎることもあったけど、知らない世界の話を聞くのは面白かったです。

結局、電話をかけて、面談や健康づくり教室への参加が決まった人は、ほぼいませんでした。

電話代ムダになったね。と先輩に言われ、チーンとなったけど…。

今回の電話やお手紙がきっかけになって、少しご自身の健康に目が向いたり、次の年の健康づくり教室への参加に繋がったり、したかなあ。

そうだといいなぁ。

自分の行動を変える気がない、予定のない「無関心期」にいる皆さんですものね。

お電話や手紙が、せめてもの情報提供になっていたら、成功だったのかも知れないな。

うーん。タイトルに挙げた「TTM理論✖️多忙な先生方との関わり方」に、繋がるんだろうか。

次回に続きます。

【怒らない、ごきげん母ちゃんでいるための3つのコツ】の音声

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