あと少し、給食を食べて欲しいな。そんな時の、先生の声かけのコツ

食育

大学卒業後、学校栄養士をしていた私。

小学校の先生になり、学校給食を子どもと食べる側になった時は、なんだか感慨深いものがありました。

この献立って、こんな風に決めたのかな。

このメニューって、あんな風に作ったんだろうな。

このおかずが出せるってことは、調理場にはあの機械があるってことだな。

…他の担任の先生とは、一風変わった視点で、学校給食を眺めていました。

給食指導の中で担任の先生方が困るのは、やっぱり「子どもたちが給食を食べないんだよね」ってこと。

小学校低学年だと、単純に好き嫌いで食べないし、高学年だと太りたくない、なんて理由でご飯を減らしたり、なんてこともあります。

小学校の先生になりたての1年目。私が受け持ったのは高学年でした。

「太りたくないから食べない」っていう子は少なかったけれど、部活をしているのに、食べる量が少なめだなあ。

運動量からすると、もう少し食べた方がいいんだけどな。

そんな子が男女ともにいました。

「ほら、もっと食べないと健康に悪いよ」

私も家でつい、子どもに言いがちな声かけです。

でもさ、大人だって「もっと食べないと健康に悪いよ」って言われたって、食べたくないものは、食べないよね。

こんないいことがあるなら、ちょっとやってみようかな。

そこにメリットを感じるから、人間って行動してみようと感じるわけで。

「お肉は筋肉を作るためにすごく大事だから、どの部活してる子もしっかり食べておくといいよ。」

「ほうれん草は鉄分が多いんだよね。血を作ってくれて、スタミナアップになるから、よく走るサッカー部なんて、食べておいて損はなし!だよ」

「オレンジにはビタミンCがいっぱいだからねー。疲労回復にいいよ。ほら、昨日練習試合で疲れてるって人、食べにおいでー!」

高学年のクラスの子どもたちには、こんな感じの声かけをよくしていました。

5.6年生だと、家庭科で栄養素の勉強もしますからね。

エネルギーになる黄色の食べ物、身体をつくるもとになる、赤の食べ物。基礎的なことは、一応授業で学んでいます。

そういった知識と、「食べることで、部活がもっと上手くいくかも?」というメリットを掛け合わせた、声のかけ方。

もちろん「食べなさい!」じゃなくて、「食べてみない?」と、子どもたちにお誘いをしてました。

それなら、もうちょっとおかわりしようかな。なんて、食べに来てくれる子。いましたね。

小学校の部活だと、家に帰って練習するチームもあれば、そのまま帰らずに練習を始めるチームもあり。

ホントなら、練習前におにぎり一個でも、食べられたらいいんだけどね。そうしたらエネルギーがしっかりある状態で、身体を鍛えられるんだけど。

なんて、話がそれました。

これが小学校低学年だと、給食を食べない理由がちょっと違ってきます。

「キライだから」

「おうちで出てこないメニュー・食材だから」

そんな感じで、食べないんですよね。

プラスひと口でいいから、もうちょっと給食を食べてもらえないかな?

そんな時あなたなら、子どもたちにどんな声かけをしますか?

私は、女優になりきってました。

「えー!このサラダ、こんなに美味しいと思わなかった!びっくりだねー!」

目を丸くして、驚いた顔を作って、オーバー気味にリアクションするんです。

すると、そのメニューが好きな子が、のっかってくれたりして。

「だよね!先生、これめっちゃうまいよね!」

そんな声を聞くと、えーホントかなあ、なんて言いつつ、一口スプーンですくって、口に運ぶ子も出てくるんです。

「ホントだ。けっこうおいしい。」

「え?オレも食べてみよう」

そんな感じで、いつの間にか、食缶の中身が空っぽになっていたり。

私は隠れて、ガッツポーズしてました笑

人間メリットがないと動かないです。

なんならメリットがあっても、「面倒だから動かない」を選択するくらいです。

食べることにおいても、同じかなと。

どう声をかけたり、関わったりしたら「ちょっと食べてみようかな」って、行動が変わるのか。

ここに書いたことを試してみてもいいし、家庭なら我が子、学校であれば自分のクラスにあった、声のかけ方を工夫するのも楽しいですよ♪

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