「会食恐怖症」と「給食指導」の深い関係。自分で決めるって、やっぱり大事。

食育

給食指導研究会、なるものがあるそうで。

面白いことに、研究会の代表者さんは、学校の先生でもなく、学校栄養士さんでもない。

「会食恐怖症」という、心の病を経験したことのある方なんだそうです。

はじめましての方へ
(こちらのきゅうけん紹介マンガを印刷用にダウンロードしたい方はこちらより) 初めまして!きゅうけん編集長の山口健太です。 このページでは、初めて「月刊給食指導研修資料(きゅうけん)」に訪れた方向けに、 きゅうけんとは? ご活用方法 立ち上げ

代表者さんがインタビューを受けた記事があったので、引用させていただきますね。

「会食恐怖症とは、不安障害の一つである社交不安症に分類されます。

誰かと食事をすることに強い不安感を感じ、その不安を避けようとすることで交友関係、恋愛、仕事などに影響が出る状態が続きます。

10代、20代の若い世代に多く見られる病気です。

交友関係、恋愛、仕事にも影響。人と食事をするのが怖い「会食恐怖症」との向き合い方【専門家が解説】より抜粋

友達や恋人と一緒に、ご飯を食べにいくことを避けようとする。

就職しても、会社の同僚や先輩との、ランチや飲みの誘いを断り続ける。

結局は人付き合いが困難になっていってしまうことに、当事者は悩んでいく。

で、なんで会食恐怖症の方が、学校給食の指導を研究なされているのか?

会食恐怖症を発症した方へのアンケートで、

給食の完食指導や、周りからの強要」が辛かった、という答えがとても多かったから、

なんだそうです。

私自身はあまり嫌いな食材もなく、「食べること」にストレスを感じたことがありませんでした。

学校栄養士をしていた頃も、子どもたちの食べる様子を毎日見ていたわけではなかったので、

「食べることが苦痛」ということを、想像するまでには至らなかった気がします。

小学校の先生になってから、ですね。

あるお母さんから手紙をいただきました。

「うちの娘には、苦手なものを無理して食べさせないで欲しい。

ストレスになって、学校に行きたくないと言い出すから」

そんな内容が、手紙には書かれていました。

給食の時間って、多くの子どもたちにとっては楽しみな時間です。

メニューがカレーだったり、豪華なデザートが出る日なんて、朝から献立表を眺めて落ち着かない子がいるくらいです(可愛いねえ)。

でも一方では、「無理やり食べさせられたら、どうしよう」って不安を、給食の時間に抱く子も、いるんですね。

少し迷った末、手紙をいただいたお母さんへ、電話をしてみることにしました。

「お手紙ありがとうございます。

ご相談なのですが、例えば、

苦手なメニューを全然食べない、と言うのではなく、

本人が大丈夫という量まで減らして、提供するのは大丈夫ですか?」

全部食べなくてもいいし、完食しなくてもいいけど、

食べる経験を増やしたい」とは、思っていました。

献立を作ってる学校栄養士さんだって、プロです。

どのクラスも完食!」なメニューと、「これ残りがちなんだよね…」ってメニューくらい、

把握しています。

ちなみにお野菜たっぷり系のメニューや、あまり子どもに食べ馴染みのないメニューは、残ります。

栃木の学校で、栄養士をしていた時に、調子に乗って出したことがある「もずくスープ」なんて

最たる例です。w

沖縄ではもずくをスープで食べるなんて、メジャーなんだけどなあ。

他県では、そんなの食べた事ない!!な、メニューだったんですよね。

話を戻します^^;

しっかり食べて、栄養をとって欲しい」

って思いと同様に、

色んな食材、色んなメニューと出会って、食の経験を積んで欲しい」っていうのも、

学校栄養士さんの意図の中、にあるんです。

なので、先ほどの手紙をくれたお母さんに「子どもがOKな範囲で、食べてみるよう勧めてみたい」と提案をしたんです。

お母さんとしては「娘が良いというなら」というお返事でした。

なので、彼女とも相談しながら、苦手なメニューはほんの少しだけ、お皿によそうことにしました。

本当に、ほんの少し。

これ、小さじ一杯分じゃない?みたいな時も、ありましたよ。

それでいい。彼女が決めた分だけ。

学年が変わる頃に、彼女が目に見えて、食べる量が増えた!みたいな

感動の変化!はありませんでした(スポーツ始めた!とかなら、ある話かもしれないけどw)。

けどね。

給食の時間の、表情が明るくなったのは見て取れました。

怖い時間、イヤな時間じゃ、なくなったんだね。

「会食恐怖症」にせよ、なんにせよ、

本人が望んでないのに、無理にやらせる」

良い結果を産まないんでしょうね。

特に「食べる」ことは、生きること。

いのちに関わること。

そこを侵される、ってアラートが鳴った時、

人の前で食べない」っていうモードに、心がバリアをかけてしまうことって

あるんでしょうね。

こないだ次男に無理くりトマトを食べさせようとしていた、

シイタケ大嫌いな夫に、教えてやろうと思いますw

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