喜びを大判振る舞いしてくれた先生

教育

朝、スマホをなんとなく見ていた。

書く朝活が始まってからは、やらないようにしてたのに…。やってしまったと思いながらも、指は画面をスクロールしている。

ふと、お〜いお茶のニュースが目に入った。

最近騒がれている、AIの女性をCMに?という話題ではなく。

俳句の賞に小学生が選ばれた、というものだった。

お〜いお茶の缶やペットボトルの側面に、俳句が載っているのを見たことはあるだろうか。

一般に公募した俳句の中から、優れたものが選ばれ掲載される。

それで思い出した。

あの先生が選ばれてたなあ。

国語の先生、おーいお茶に俳句が載る

中学2年の時の、国語の先生。

もうすぐ定年だろうという歳の女性。

特段変わったところもない、わりと普通の親しみやすい人だった。

なぜ、中学や高校の先生というのは、ちょっと変わった人が多いのだろう。

中1の時の国語の先生は、年中白いTシャツ一枚で授業をしてた。

参観日にもその調子だった。

観に来た母が後で「あの先生、乳首透けて見えたけど、いつもあんななの?」と聞いてきて驚いた。

お母さん、そんなところ気にしてたのね。

話を戻そう。

ある日その年配の先生が、教室にお〜いお茶の缶を持ってきた。

「ここに俳句載ってるの分かる?わたしの書いた俳句が、載ってるわけさー」

めちゃめちゃ嬉しそうに、弾んだ声で先生は言った。

先生の俳句が載った缶、みんなにあげようね

お〜いお茶に載る俳句は、地域ごとに選ばれているらしい。沖縄の商品には、九州・沖縄地区のものが載ると聞いた。

先生は見事選ばれた。しかも、ちょっといい賞をいただいたらしい。

まるで有名人が知り合いから出たような。

そんな興奮を持って、私たちはその話を聞いていたように思う。

すごいなー、まじか!?とか言いながら、普段ちょっと悪ぶってる男子も、まじまじとお〜いお茶の缶を眺めていた。

ひと通り、みんなに缶を見せてくれた後、先生が言った。

「これ、たくさんおうちに届いたわけさ。職員室で先生達にも配ってきたから、あんたたちにもあげようねー」

なんと先生は、クラスみんなに、お〜いお茶の缶をプレゼントしてくれたのだ。

喜びを惜しみなく、ギフトしてくれた格好良さ

確か、先生は私たちのクラスの副担任だったような。だから特別、わたしたちにはプレゼントしてくれたんだと思う。

それにしても、クラス30名分、職員なんてもっと多かったはず。

家に商品が沢山届いたとはいえ、先生は届いたお〜いお茶を、配りきったんじゃないのかな。

もう家にほとんど、残ってないんじゃないのかな。

なんかすごくカッコいい。

そう思ったのを覚えている。

先生の気前の良さ、喜びを惜しみなくお裾分けする姿。

あんな大人は素敵だな。

何十年も経った今、興奮する気持ちと共に先生のことを思い出す。

記憶の中にしっかりと先生が残っていたことに、嬉しくなっている。

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