見えないところ、表立ってないところでコツコツ仕事を頑張る人。
あなたは知ってる?
たまにクラスでこんな話をしていたなぁと思い出す。
学校には、先生以外にもいろんな仕事をしてくれている人がいるんだよ。
例えば用務員さん。
みんなが安全に授業できるように、廊下の電灯を変えたり、壊れた場所があったら直したりしてくれてるんだよ。
他にも事務員さん。電話ボックスの側に、お部屋があるでしょう?
そこで、学校にかかってくる電話を取ってくれたり、チョークとかコピー用紙とか、学習に必要な道具を買ったり、予算の計算をしてくれたりするんだよ。
陰日向、いろんな場所で支えてくれた事務員さん
用務員さんは市町村の職員さんだから、地域によっていたりいなかったりする。
余談だけど、図書館司書の先生も、大抵は市町村で雇用されている。
今住んでいる地区は、どこの小学校にも司書さんがいない。なので(それが理由なのもイラっとするけど)図書室が常時閉まっている。
本を読め読め言う割には、道理が通ってない。
大きな施設ばっか建ててないでさ。子どものためにお金を使う気ないのかな。
文句になってしまった。
そう、用務員さんはいたりいなかったりするけど、事務職員さんは必ずいる。
子ども達や、私たち先生が気持ちよく働けるように、予算や帳簿管理、色んな裏方の仕事をしてくれているのだ。
私は事務の先生が好きだった。
どの学校に行っても、いつも好きだった。
事務室の仕事は本当に多い。
電話もかかって来るし、なんなら職員も用事をしに来るし、仕事の手が止まりまくり。
なのにいつも優しく、丁寧に接してくれるのだ。
心の底から感謝していた。
ある年ご一緒した方は、わたし宛にかかって来たクレームの電話を鮮やかに対処してくれた。
「ひと通り聞いたのよ。
でさ、わかりました。申し伝えておきますので、お母さんのお名前、教えて頂けますか?って言ったら、ガチャって切れちゃったよ!
こんなズルな人、気にする事ないからね!」
泣いた。嫌な思いさせて申し訳ないのに、私のことを気にかけてくれて。
そんなこんなで、見えない仕事をしてる人も、とても大切な存在なんだよと、私は折に触れて、子ども達に伝えていたんだろう。
今日は当たりの日だね。
ある年赴任した学校は、児童数が1000名近くの大規模校だった。
コピー機がいつも混んでて、シュレッダーもよくランプが点滅していた。
紙がいっぱいですよー、紙くず捨ててくださーい、っていう合図だ。
その紙くずを捨てるタイミングに、よく出くわした。
要らない紙をシュレッダーにかけようとしたら動かない。
見るとランプが点いている。
シュレッダーちゃん、私に構って欲しいのね。
そんなわけない。
単純に、気づいた人が変えないまま、私の番になったのだ。
ちょっと面倒だけど、やってしまえばすぐ終わる。
シュレッダーの扉を開けて、箱を取り出す。
紙くずの詰まったビニール袋を取り出して、新しいものに変える。
こぼれたくずも片付ける。
この作業をしてると、だいたい事務の先生と出会った。
「あら!先生いつもありがとう。
実はね、私もよくシュレッダーのお掃除当番になっちゃうの。不思議よねー。
先生と一緒で嬉しいわ」
笑いながら事務の先生は言う。
お互い、この役がしょっちゅう回ってくる理由を知ってるのだ。
「ホントですよね!でもある意味、当たりだわ、ついてるわー、と思いますね」
そんなやり取りをコピー機の前でするのが好きだった。
あ、今日はコピー用紙だね、今日は輪転機だね!当たりだねー!と、笑いながら作業をした。
どこにいても、やるべき事を淡々と
事務員さんも好きだし、支援員さんも、図書室の先生も好きだった。
やっぱり私は、見えないところ、表立ってないところでコツコツ仕事を頑張る人に、魅力を感じる。
私もそうありたいから、憧れるんだな。
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