ごちゃごちゃ考えずに、自分が好き!って本を選ぶんだ!と反省した話

教育

長男の通う小学校で、読み聞かせボランティアをしている。

入学式の際に活動紹介を見て、その場で「やってみたいです」と係の方に声をかけに行った。小学校での活動に何かしら参加したかったし、ママ友を一人でも作りたかった。何より面白そうだった。

すぐ読み聞かせに参加出来る、と思っていた私の予想とは裏腹に、何度見学に行っても担当に入れてもらえない。なんでも、既に活動しているお母ちゃんたちの前で「テスト」をしないといけないという。

10年小学校で教員をしてきたけど、そんな学校は見たことがない。若干憤りはあったけど、郷に入ってはなんとかと言うし…と、なんとかテストの日程を組んでもらい、2学期からは息子のクラスを担当させてもらっている。

息子のクラスの子達は元気いっぱいだ。

担任の先生が初めての懇談会で、校歌を歌う子どもたちの動画を見せてくれた。テレビの画面が割れんばかりの大声で「うーめーが、さきますー!!」と熱唱していたのには、親御さんが大笑いだった。

読み聞かせボランティアは皆さん、色んな意図を持って読む本を選んでいるけれど、私の選ぶ基準は一択。

「楽しい気持ちになれるかな?」

一年を通してお付き合いする担任としてならともかく、今の私は、クラスの子からすると、たまーに会うだけのクラスメイトのお母ちゃん。だったら小難しいことは考えず、私もみんなも読んでて楽しい本がいいなと考えた。

持ってくるだけでインパクトのある、大型絵本。開くと、背の小さい子ならすっぽり隠れてしまいそう。初めての読み聞かせは、内容と言うよりそっちの面白さで子どもたちが楽しんでくれた(なんだか反則な気もするけど)。

次に選んだのが、落語の有名なお話「寿限無」。イラストが可愛くて、ノラネコぐんだんという人気絵本の作家さんが挿絵を描いている。意外と「じゅげむ知ってる!」と言う子も多くて、最後の方は「じゅげむじゅげむ、ごこうのすり切れ…」と早口の合唱になって賑やかに楽しく、過ごすことができた。

今回もそうやって、自分が楽しい、みんなも楽しい絵本を選べばよかった。12月だからといって、「クリスマスにちなんだ絵本を教えてください」と、読み聞かせボランティアのLINEグループで尋ねて、何も考えずそこから選んだ私のミスだ。

先週、3度目の読み聞かせにお邪魔した。選んだのは、大型絵本で「ぐりとぐらのおきゃくさま」。

誤解のないよう書いておくが、この本はとても面白い、素敵な絵本。主人公のぐりとぐらの家にやってきたお客さんが、実はサンタさんだったと言うストーリー。絵も可愛いし、読んだことのあると言っていた子も多かった。

でも、今までの2回と明らかに教室の雰囲気が違った。ゲラゲラ笑う絵本ではないにせよ、「聞いてくれている」雰囲気を強く感じた。

聞いてくれてるってことはある意味、向こうが気を遣ってるってことだ。そんな気負いをせず、純粋にこの時間を楽しんで欲しいというのが私の願いだったので「なんだか違うな…」と違和感を覚えつつ、1冊目をどうにか読め終えた。

時間があったので、もう一冊取り出した。「ぼうしくんのクリスマスプレゼント」は、可愛いイラストが印象的。サンタさんに忘れられたぼうしくんが、プレゼント欲しい!と泣く動物たちに自分の部品(ポンポンかざりやフワフワかざり)をあげてくうちに、お目目だけになってしまう。

暗い背景に目玉が2つ浮かんでるのが、怖いけどインパクト大で面白い。その山場に向かうにつれ、子ども達が騒ぎだす。「え!もうあげるモノないよ? ぎゃー!目玉が浮いてるー!!」大笑いだ。

やはりさっきと違う。こっちは私も面白いなーと思いながら、自分で選んだ本。

ああ、読み聞かせをしながら、私たちはエネルギーの交換をしてる。絵本を指さして笑う子ども達を見て、そう思った。もちろん年齢に合わせた絵本を選ぶのは大事だし、季節に合わせたそれを選ぶのも良い。けど、心からそれを読みたいなと思った絵本じゃないとダメだ。少なくとも、私はそうだ。

2冊読み終えて、お礼を言って教室を出る。そしたら、いつもあぐらをかいたり寝転んだりして、あまり読み聞かせに興味を示さなかった子が後を追って来た。いろいろと自分のことを話してくれた。

私は選書に失敗した…と勝手に凹んでたけど、彼は楽しんでくれたのかな。ありがとう。

子ども達からエネルギーをもらえる、読み聞かせボランティア。年明けは、爆笑必死な絵本を選んで、持って来るからね!

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コメント

  1. テストがあるのにビックリしたよ。私も2校でやってるけど、そんなの全くないし。

    私はクラス変わるからと同じ絵本ばかり読んでるけど、楽しいと思うエネルギー交換大事だね。