「相容れないビジョン同士で無理やり力を合わせるよりも、よい形のコラボレーションの方法を探すほうがいい。」
—『すべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』トム・ニクソン, 山田裕嗣, 等著
目的をはっきりさせると、違う人は離れていく。それでいい。
先日お話を伺った社長さんが、仰った言葉です。
そうは言っても…って、ずっと思ってました。
怖いんです。チームのメンバーから抜けるの。
あ、恋愛もそうですね。お付き合いを始めるのは楽しいし、ワクワクだけど、お別れする時の方が、しんどいですね。
…話が逸れました。
自分の中での「目的」と、チームのそれが合わないな、と感じたら。
離れることも、やっぱり必要なんだ。
それで良かったんだ。
社長のお話と、読んだ本のフレーズが、パチっとハマりました。
数年前、私はとある団体さんの立ち上げに参加していました。
自然の中で、のびのび子どもを遊ばせよう!というビジョンを、リーダーの男性は語っていました。学童さんの、野外バージョンとでもいうか、そんな感じのことをやろうとしていました。
「面白そう!興味あるので、私も入れて欲しい」と、彼にお願いして、チームに入れてもらったんです。
リーダーの彼と、立ち上げから参加していたメンバーが4人、そこに入って来た私。
キリ良く4月のスタートを目指して、その準備を始めよう!と動き始めました。
私は仕事として、ガッツリ関わるぞ!と意気込んでいました。
ある日、話し合いの時に質問してみたんですね。
「子ども達を預かる時の料金設定とか、私たちメンバーの報酬みたいなのって、決まっていますか?」
途端に場の空気が凍りました。
「あれ、聞いたらいけないことだったかな」と慌ててしまいました。
ハッ、と我に帰ったようにリーダーが喋ります。「それもこれから決めようね。次の会議で提示するよ」
ミーティングという体で、何度か集まっていたけど話題が出なかったし、時期は2月。
スタート予定の4月が迫っているから、そろそろ聞いておきたいと思ったのだけれど。
私の聴き方にも、配慮が足りなかったのかも知れない。でも…と、モヤモヤが残りました。
子どもを預かる施設は大抵、怪我や事故に備えた保険に加入しているんですね。保険金は、わずかな額だけど、保護者に負担してもらう。
学校でもそうだし、プール・野球のような運動系の習い事でもそうです。
当然それに加入するだろうし、そうすると完全に無償、とはならないだろうし。
なら、ボランティアではなくお仕事として、真剣にやらなきゃ。
そういう想いの部分が、みんなと違っていたのかも知れませんね。
このことがきっかけになり、「ホントにここで、本気になって頑張れるかな?」と迷いが生まれました。
けど、人から嫌われたくない。当時その気持ちが強すぎた私は、団体のリーダーの進め方に疑問を持ちつつ、決断ができませんでした。
「それでいいの?ホントにこの先、頑張っていけるの?」っていう、自分の中のアラートは鳴りっぱなしなのに。
最終的には、4月のスタート前にチームを離れました。
変わらず親しくしてくれる仲間もいたし、疎遠になってしまった仲間もいました。
自分の中では勇気の要る決断だったし、寂しい気持ちもありました。
けど、私があれこれ違う意見を言って、団体の立ち上げが間に合わなくなったら。それが一番良くない、とその時は思いました。
チームは無事、4月に活動をスタートできました。自然の中でのびのび遊べることを喜び、そこへ子どもを通わせたい!と来てくれる保護者も多くいました。
けれど、メンバーへの報酬の件が曖昧なままだったり。子どもたちの安全面への意見が、メンバーとリーダーで食い違っている。そんな、気になる話も耳にしました。
その後は私の引っ越しなどで、みんなと疎遠になってしまい。数年後、活動を一旦休みすることになったらしい、と風のウワサで聞きました。
「相容れないビジョン同士で無理やり力を合わせるよりも、よい形のコラボレーションの方法を探すほうがいい。」
最初にも書いた、ソース(源)原理という本の一節です。
チームのリーダーなら、ビジョンを丁寧に伝え続けることが大切。
そこで、相容れないと感じたら、無理に一緒にいるよりも、ちょっと離れた場所からお互いを見守る方が、お互いのためにも良いかもよということなんでしょうね。
彼氏彼女とビジョンが合わない。私は30歳までには結婚したいのに、彼はその予定じゃない。ならばお別れも検討した方が良いのかも知れない。
これが家族というチームだと、簡単に解散できない。難しいところなんだよなぁ…
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