人類最大の敵、眠気。
敵というかなんというか、人間の三大欲求(食欲・性欲・睡眠欲)だものね。それは勝てないよと思う。「人間の三大欲求」とGoogleさんに打ち込んでみたら、上手な付き合い方のコツまで出てきた。みんな欲と闘いながら生きてるのね。
眠気に関して、昔真剣に困っていたことがある。
寒暖差がキツいと、眠気に襲われてしまう。あるいは、睡魔に勝てず寝てしまう。病気じゃないか?と真剣に悩んでいたほどだ。
10年ほど前、栃木に住んでいた時のこと。ずっと暮らしてきた沖縄を出て、寒い寒い北関東での初めての生活。
暖房なんて沖縄では見かけなかったのに、電車に乗ればエアコンが付いているし、なんなら学校には各クラス、暖房器具が設置されている。そうまでしないと寒いほど、冷え込むのかと当時は恐ろしく感じた。
酔っ払って路上で寝たら、確実に死ぬなぁ…。沖縄みたいにのんきな感じではいられないぞと、なぜかいつもこのネタが頭に浮かんだ。寒いの嫌だな、怖いな。吐く息が白くなりつつあるのを、恐々待ち構えていた。
とうとう、部屋に暖房を入れるほど、気温が下がるようになった。そこで困ったのが、寒暖差による眠気だ。
例えば寒い屋外から暖かい室内へ移動し、席に着いて事務作業を始めようとすると、とんでもなく眠くなる。いやいや仕事中なんだから…と気合いを入れ直してもダメ、効率が悪くなってしまってどうしようもない。
運転中も同様に眠くなる。暖房を切ってしまえばいい、と先輩に言われたが、そしたら寒さを我慢できない。眠気防止のガムとコーヒー、あとは大声で歌うとか、なんとかして居眠り運転しないよう、日々頑張っていた。
一番困ったのは、仕事の研修中でも睡魔と格闘しなければならなかったこと。学校栄養士は基本校内に1人だけなので、他の栄養士さんと情報交換をしたり、打ち合わせをしたりと頻繁に出張がある。加えて、研修も月一くらいであった。
普段会わない人に囲まれながらも、ウトウトしてしまう…。寝不足か?なんてやる気のないやつだ!と、思われてないだろうか。やる気はある、夜も十分寝てる。でも、眠くなっちゃうんだよ…と泣きたい気持ち。でも頭はこっくりこっくり。
当時調べてみたら、寒暖差で血管が収縮したり、自律神経が忙しくなるせいで、眠気が起こることがあるらしかった。さっきまた、Googleさんに聞いてみたら、「寒暖差疲労」という症状名がついていた。ほんと、なんでも名付けてしまえば病気っぽく見えてくるから不思議。
結局、2年住んだだけでは身体は寒さに順応しきれず、「寒いと眠い」が克服できないまま、私は沖縄に戻ることになった。
あれから10年ほど経ち、また寒い北関東にやって来た。寒くなったら、あの眠気と闘わないといけないのか…と、若干気負いながら迎えた、初めての冬。症状は出て来なかった。
理由は多分、それどころじゃなかったから。あの頃は身ひとつだったけれど、今は2人の男子を育てるママ。
しかも身寄りのない場所に越してきて、こんな寒さの中、子どもたちをどう育てればいいの?知識も経験もない。寒いなぁ眠いなぁとか言っている場合じゃなかった。必死だった。
寒暖差で眠くなることを真剣に悩んでた、あの頃のわたし、可愛かったなあ。あれから大分タフになった今の私は、昔を微笑ましく振り返っている。
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