その奥には、何があるのかな。
そんな視点をひとつ持つだけで、相手にイラついたり、自分にがっかりしたり、せずに済みます。
モノの見方や考え方は、みんな同じじゃないからです。
沖縄に住んでいた時のこと。
当時アパートに時折、母が訪ねて来ることがありました。
実家からほどなく近いのもあったし、
「子どもが産まれて復職もして、大変だろうから」
そんな思いからか、よくご飯のおかずを持って来ていました。
…キミは薄情だ!!!そう言われるのが若干怖くて、なかなか書けなかったのですが…
私は心から「ありがとう」と思えない時の方が、多かったのです。
例えば、今日の夕飯はスパゲッティにしよう。
そう決めて支度を始めたところに
「ピンポーン」
とチャイムが鳴る。
ドアを開けると母。
「ちょっと近くまで来たからさー、今から夕飯でしょ。これ、おかずに出したらすぐ食べられるよ」
そう言って差し出したのが、イカと白身魚の天ぷら。
内地風のサクサクなやつではなく、沖縄風の衣が分厚いやつ。
一応「分かった、ありがとう」と受け取るんだけど、
もう、スパゲッティを作ろうと決めていた私。
天ぷら好きだし美味しいけど、今日は違うんだよな…。
そんな思いが浮かんで、心から「ありがとう」の気持ちになれなかったんです。
また別な日の母は、「いらないから使ってよ」と新品の食器かごを持って来ました。
けれど「食器かごが欲しい」と頼んだ記憶がない。
わが家の食器かごも、近いうちに壊れそうな、そんな気配もありません。
「うーん、今使ってるのもまだ使えそうだし、今はいいよ」
断る私。
「なんで、壊れた時用に置いておけばいいさ」と押し返す母。
えー、食器かごの予備なんて、狭いアパートのどこに保管するの!
結局「必要になったら実家に取りに行く」という話で、
母には食器かごを持ち帰ってもらいました。
その話を夫にすると
「え、ひどくない?なんで持ち帰らせちゃったの?もらって置いとけばいいじゃん」
と一言。
なんで私がワルモノなんだ!?
肩を持ってくれなかった夫に、理不尽に怒り散らして、その会話は終わりました。
後々学んだ学問のおかげでスッキリしたのですが、私はそもそも「欲しいモノが欲しい」そんなタイプでした。
ざっくり分けて、他には「もらえるならなんでも嬉しい」タイプと
「スペシャルなものが欲しい!」タイプ、3つのタイプに分かれます。
「欲しいモノが欲しい」タイプの私の脳内には、計画とゴールがあります。
自分で立てた計画に沿って、ゴールに向かって自分のペースで進めたい。
急な予定変更は、ペースが崩れちゃうのでイヤ。
それで、持って来てもらった天ぷらを、素直に喜べなかった。
また、「欲しくないモノ・今、自分の計画の中に無いモノ」を貰っても、相手の喜ぶようには使ってあげられないのが目に見えている。
だから「いらないな…」ってなってしまう。
そんな自分の事を「冷たいやつだ」「薄情だ」と否定しかけていたので、
ものの見方や感じ方が元々そうなんだ、と分かってスッキリしたし、ホッとしました。
必要以上に自分責めをするのも辞めました。
ちなみに母は、「もらえるならなんでも嬉しい」タイプでした。
良かれと思って、色々なものを持って来てくれてたんでしょうね。
その奥には、何があるのかな。
当時の私も、そんな視点をひとつ持つだけで、母にイラついたり、自分にがっかりしたり、せずに済んだのになぁ。
ちなみに沖縄を離れて茨城に越して来た今も、母は
「もらえるならなんでも嬉しいよね?」
なスタンスで、贈り物をして来ます。
先日は箱詰めされたちんすこうが送られてきました。
すると箱のフタに「奥にも入ってます」と意味深な貼り紙。
ゴソゴソあさってみると、新聞に包まれた「シリシリ器」が出て来ました。
にんじんしりしりーという、沖縄独特のお料理を作るときに、使う道具です。
なんでそんな変な入れ方を…とメールしてみたら、
「一応刃物だし、隠しておこうと思って」と、
母らしい、可愛い答えが、返って来ました。
わかったわかった。茨城でも、にんじんしりしりーつくりますよ。
「ごめん、そしたらポーク缶も要るから、今度送って欲しいな」
欲しいものが欲しい私は、ピンポイントなリクエストを書いて、メールを返したのでした。
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